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医原病(前編)

2021.11.20

W-GYM顧問医師がお届けするコラムシリーズです。

今回は現役の医師が明かす病気や怪我を治す際の裏話!

これを読めばきっと健康に対する意識が変わります!

 

医原病ってなに?

今回のコラムは前後編でお届けします。

タイトルになっている医原病という言葉は、

あまりなじみがないかもしれません。

医原病とは本来身体を治す行為が逆に働いてしまい、

病気や怪我になってしまうことを指します。

合併症とか、広い意味での副作用に近い言葉です。

 

誤解があるといけませんが、医療ミスとは違います。

ミス(過誤)は、本来やるべきことができなかったり、

間違えたことをやってしまったことです。

医原病は、課程が正しくても、

残念ながら一定の確率で起こってしまいます。

 

医原病の具体例

例えば僕は放射線科を専門としています。

レントゲンやCTといった、

身体の中の構造が見える検査が主になりますが、

放射線被曝による発癌といった問題があります。

日本では癌の3%あまりが

(もっと多いという調査もあります)

検査による発癌で起こっているとされています。

ちなみに先進国ではダントツです。

 

必ず付きまとうリスク

検査や治療には一定の医原病の発生がついて回ります。

もちろん死亡することもあります。

これを言うと怖く感じられる方もいますが、

僕の考えですが、病院に来た時点で、

病気そのもののリスクに加えて、

治療や検査がもたらす二次的な影響のリスクが

増えることになります。

おそらく、病気や怪我の個数が多いほど、

指数関数的にそのリスクは増えていくと思います。

 

リスクを抑える為には?

医原病が治療や検査のリスクと考えるのであれば

病気を予防したほうがはるかにシンプルで、

低コストです。(薬を飲んで予防するのは違います)

そもそも不調が起こらないほうが、

二次的な影響のリスクもゼロですよね。

 

たとえば、骨折して一生懸命にリハビリしても、

戻る機能は良くて骨折前と同等、

ほとんどはそれよりかなり低下しますし、

薬剤の長期服用による副作用もどんどん起こりますが、

普段から骨折後のリハビリより軽い運動をしておけば、

そもそも骨折もリハビリもないどころか、

加齢の影響に抗することもできます。

 

頭は回るし、ストレスも減って、

根拠のない自信というおまけ付きです。

骨折して立てない人をおんぶして病院に連れて行って、

整形外科医をあっと言わせることも可能かもしれません。

 

人間の行動はやる順序で結果が変わります。

(経路依存性といいます。)

 

後編では、また違う視点をご紹介します。

 

【顧問医師】

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