パーソナルトレーナーという仕事をしていると、
「どんなサプリメントを飲んでいますか？」
とか、
「毎日プロテインを飲んでるんですよね？」
とか、
まぁ色々とご質問頂きます。
当店でもプロテインをはじめとするサプリメントを、
お客様のご要望に応じて販売をしておりますが
正直申し上げまして、それらを摂取するのが
マストではないと考えております。
何度か当コラムで言及していることですが、
サプリメントというのは
「栄養補助食品」
というものに分類されます。
栄養というのは、脂質、タンパク質、脂質の
三大栄養素と呼ばれるものに加え、
ビタミン、ミネラルの2項目を合わせ、
五大栄養素と呼ばれます。
不足しがちな栄養を補う為に開発されているのが
栄養補助食品、すなわちサプリメントということです。
よく質問にも上がる「プロテイン」は
直訳すると「タンパク質」ですから、
「タンパク質の摂取を補うもの」という商品です。
タンパク質を多く含む食材は、肉や魚や大豆などが挙げられます。
タンパク質というのはアミノ酸の集合体であって、
そのアミノ酸の中でも体内で合成できないものが、
必須アミノ酸と呼ばれ、その中でも特に筋肉に
よい影響を与える（便宜上この程度の表現に留めます）
と言われているのが、BCAAというものです。
最近流行の、EAAというのは必須アミノ酸を指します。
ちなみにHMBというのはBCAAの「ロイシン」の代謝物質です。
ビタミンやミネラルについてよく言われるのは、
穀物や野菜や海藻類などに豊富に含まれているとは言え、
現代社会においてそれらを自然食品から必要量を摂取するのが
非常に困難であるため、「マルチビタミン」や、
その他サプリメントから摂取するのが良いという話です。
ここまでの話でお気づきの方も多いかと思いますが、
あくまでも不足分を補う為に摂取するのが一般的な動機付けです。
最も大切なことは、なるべく必要な栄養が不足しないように、
まず普段の食生活を見直すことであると考えられます。
「足りないからサプリメントに頼る」というのは、
「腰が痛いから腰を揉んでもらう」という
短絡的で本質的ではない対処と同意です。
腰痛の際に大切になるのが、なぜ腰痛になったのかという
ストーリーを紐解いていくことであり、再発を防ぐことです。
サプリメントにしても同じで、なぜ不足しているのかという
日常の食事の在り方について考察することが重要です。
そこを蔑ろにしてまでサプリメントに頼るのは、
あまり賢い選択ではないでしょう。
ちなみに昨今は感覚的に言うと「かなり格安」で
サプリメントを購入できる時代になりました。
その傾向が良いとか悪いとかではありませんが、
「なぜ安いのか？」ということをよくよく考えるべきでしょう。
「とりあえず筋肥大を目指す！」
というのであれば、一般的に見ればかなりのタンパク質の摂取が
必要なのは理解できますし、そこにプロテインが必要であって、
かなりの量を飲むなら単価が安い方がよい！
というロジックは間違いではないと思います。
自由に選択して頂ければよいかと思います。
しかし、健康的な身体と、競技（コンテストを含む）
に勝つための身体の作り方は少し方向性が違います。
本来はコンテストに向けた身体づくりにおいてもそうなのですが、
身体に入れるもの（サプリメントを含む食品）が身体を創ります。
その身体の原材料が「安物」であってよいかどうか？
これは人それぞれの価値観に委ねられる問題ですが、
一旦考えてみるべきことだと思います。
ワインの様に高ければよいというものではありません。
実際ワインでも安くてよいものがたくさんあります。
しかしあまりにも安いワインはよいものではありません。
本当に消費者のことを考えてギリギリまで利益率を下げる
商品も世の中には存在するでしょう。
しかし安くてもよいものかどうかは、調べてみないと分かりません。
製造工程や製造場所、原材料、販売会社情報など、
安い商品を購入する際には多少の注意が必要です。
さて、最初の質問に答えておきましょう。
私はプロテインを飲みます。
しかし、毎日は飲みません。
どうしても食事が満足に摂れない時、
すなわち有難いことにご予約が混みあっている時は、
さっとプロテインを飲んでいます。
その他のサプリメントはマルチビタミンを稀に摂取するぐらいです。
何故なら！
私は基本的に朝に、米、納豆、卵、みそ汁を摂取し、
昼は場合によりますが、近所の定食屋さんへお邪魔し、
夜もお酒を嗜みながら（飲みすぎ？）楽しく食事をするからです！
こんな言い方してちょっと反感を買うかもしれませんが、
美味しくもないのに、
ぱさぱさの筋肉飯と、
粉々しいサプリと、
よく分からん錠剤を摂って、
楽しいですか？
美味しく食べることが基本です。
当店では
をご受講頂けます。
代表トレーナーがこんな調子ですから、極端な糖質制限とか、
禁酒とか、プロテインをもっと飲めだとか、
そういったことは一切申し上げません。
出来ることからコツコツと。
出来ることというのは、
いきなりサプリメントを飲むこと、ではないのです。