お金がない感覚と肥満
column
- コラム
貧困層と肥満率
お金持ちは余裕があるので
いいものを食べていて太っている、
そんなイメージがあるかもしれませんが、
実は逆です。
世界屈指の肥満大国のアメリカでは、
貧困率の最も高い州トップ10のうち
9つは肥満率も高い南部の州です。
統計によると肥満率と貧困率には
多くの州で相関関係にあるとのことです。
つまり、肥満率が高い人たちは
貧困率が高いということで、
肥満しているからお金が稼げないのか、
お金を稼がないから肥満になるのかのどちらか、
もしくは両方ということになります。
これにはいろいろな理由が考えられています。
お金がないと、肥満になりやすくて
安いジャンクフードに手を出しやすくなるとか、
お金がなくて教育が受けられず栄養の知識が浅い、
といったものです。
お金と思考の関係
お金が足りないことが思考判断に
悪く影響することが分かっています。
ハーバード大学が行った研究で、
インドの貧しい農家を対象にIQ調査を実施し、
収穫の前でお金がないときと、
収穫の後で金銭的に多少の余裕があるときに比べると、
同じ人のIQに差が出て、
お金の心配があるときは9-10ポイントほど
下がったという結果がでました。
つまり、お金の心配は脳の処理能力を下げて、
自分にとって大切なものや
長期的な目標を考える心理的な余裕もなくなり、
さまざまな選択に関して愚かな選択肢を
選んでしまう可能性があるということです。
負のループにハマっていない?
ここからは、僕の考察になりますが、
脳の処理能力が下がると、
無駄なことにお金を使ってしまったり、
手っ取り早く快楽を得られるものを
手に入れるようになったりしてしまい、
貧困から抜け出せなくなってしまいます。
短期的には快感でも長期的に体に悪いものに
手を出してしまいがちになると考えられます。
このループが貧困が肥満につながるひとつの
メカニズムではないでしょうか。
これは外国の話ではなく、
私たちの日常にも当てはまるかもしれません。
僕の実体験ですが、フリーター時代、
仕事も自分の時間を切り売りするような仕事で、
終わったら仕事のストレスを
埋め合わせるかのように、
安いお酒を飲みまくったり、
うどんを食べまくったりしていました。
そのお金でバイト代結構飛んでいるんですよね、
あとから計算すると。
正直に言いますと、お金がなかったとき、
ジムにお金を使ったり、
自転車をかったりといった
身体を動かす系の選択肢に
お金を使うなんて思いもつきませんでした。
それよりも手っ取り早いお菓子や娯楽など、
買うとすぐ消えるものばかり買っていました。
現状確認しましょう
いつも自分はもっと身体をよくしたいのに、
それとは裏腹に逆の選択肢を
取ってしまいがちだったりしたら、
そういった金銭的なプレッシャーがないか
一度振り返ってみてください。
【顧問医師】