押し込められるダメージ
column
- コラム
自分が住んでいる町がせせこましかったり、
家が狭かったり、通勤も日常的に満員電車だったり
することはありませんか?
今回紹介するのは、人が密で狭い環境にいると、
知らず知らずのうちに
脳を蝕んでいるのではないかという報告です。
動物実験で押し込んでみる
半世紀以上前なので、
今では到底できない実験かもしれませんが、
動物行動学の研究で、猫を以上に混雑した環境に
何匹も押し込めたらどうなるか実験をしました。
猫は横暴になり、いじめっ子集団と
化したということです。
また、ラットを同様の環境で押し込めたところ、
巣作りの方法を忘れ、
なんと!
自分の身体を食べ始めたということです。
人間が押し込まれると?
では、人間ではどうなるかというと、
狭いところに押し込める実験は
倫理的にできないですよね。
したがって、都市に住んでいる人と
そうでない人の比較という分析が参考になります。
都市に住んでいると、
不安障害になる確率が21%、
気分障害が39%増加し、
統合失調症が倍増することが分かりました。
さらに、脳の中の恐怖心やストレスを
つかさどる部位が活性化することが分かりました。
どうやら、密な環境にいると、
脳にダメージを与えるようですね。
引っ越しのとき参考に!
この研究をみて、
僕の経験でも思い当たる節があります。
僕が東京で大学生だったころは、
通学往復6時間で、日本有数の乗車率を誇る
超満員路線が含まれていました。
さらに、大学も都内で有数の学生数がおり、
講義室は満員でしたし、食事時になると、
学食はもちろん、あろうことか
近所のマクドナルドまで満員となっていました。
当時、頭の中が常に何か騒がしい感じが
していたのを覚えています。
意外といつもいる環境が
原因だったりするのかもしれません。
皆さんにも、引っ越しで物件を比較するとき、
周りの環境を見て決めたいとき、
結構有用と思います。
ぜひ使ってみてください。
【顧問医師】