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自己内部探訪の旅②「地に足をつける」~足裏は地面との唯一の接点であって、世界と繋がる場である

column

2024.07.11
  • コラム
  • 前田岳人

街ゆく人々の足

綺麗に立てない人が増えている。

綺麗に歩けない人が増えている。

そう感じます。

街を歩くと、とぼとぼ歩いていたり、スマホに夢中で首が垂れ下がったまま信号を待っていたり……。

靴底の減り方も異常。

 

よくそんな靴で歩けるな……

きっと足裏の感覚がおかしいのだろう……

そんなことを感じざるを得ない日々を過ごしている、パーソナルトレーナーの前田です。

足の神秘性

私たち人間にとって、足ったり歩いたり時には走ったりする時、大地との唯一の接点は足の裏です。

四足歩行の動物であればその接点は基本的に4つになりますが、私たちは半分の2点のみであって、独特の進化を遂げてきたと言えるでしょう。

接地時の衝撃を和らげる為にはやわらかくしなやかに、しかし地面を蹴って身体を進める為には強くなければならないという、一見すると矛盾にも思える使命を帯びている私たちの足。

どう考えてもとても大切な部位なのですが、あまりにも複雑な構造につきすべて解明するのは不可能であろうとも言われます。

その神秘性が足の魅力であると、私は考えています。

足と脳

足裏の刺激は脳への刺激にもなり、名だたる哲学者や思想家はよく歩いたとも言われます。

 

『森の生活』で有名なヘンリー・デイヴィット・ソローは晩年に『歩く(Walking)』という感動的ですらある講演エッセイを残しましたが、彼らの様な著名人でなくてもほんの100年ちょっと前までは「ちょっとそこまで行ってくる」と言えば基本的に歩いて行ったでしょうし、現代の様に舗装された道路などほとんどありませんし、あったとしても現代で言えば凸凹道だったでしょう。

ヘンリー・ソロー『歩く』(Amazon)

現代人の足

私たちはあまりにも歩かなくなってしまいました。

歩いたとしても舗装路です。

しかも舗装路を歩く為には靴という名の「足の棺桶」で足を覆う必要があります。

もちろん舗装された道路や靴のお陰で、私たちの生活は随分便利なものになりました。

今更100年ちょっと前の生活に戻ろうとなんて言うのはあまりにも極論ですし、夏場のアスファルトを裸足で歩いたら火傷をします。

ウエイトトレーニングの現場でも、足を守る為に靴を履くことが強く推奨されます。

 

しかし二律背反。

やはり地面との接触が減ってしまったことによって、私たちの足の機能は低下し、脳への刺激も不十分となり、感性が衰えてしまっている人がかなり増えてしまっているのではないでしょうか?

自己内部探訪の旅~地に足をつける

そこで「自己内部探訪の旅」です。

「地に足をつける」。

W-GYMが提唱する「自己内部探訪の旅」では、「呼吸の感知」が基本ですが、次に大切にしているのが「地に足をつける」という取り組みです。

まずは裸足になって地面を感じてみましょう。

当店は5階に位置しているので厳密に言うとそれはただの床なのですが、なるべく自然な状態に近付けられるように20m近くに渡って人工芝を敷いています。

また様々な形の木片をご準備していますので、疑似的ではありますが足裏に自然を感じることが出来ます。

 

自宅でも出来ることはやはり裸足になることです。

その次にその足を手で優しく触ってあげることです。

足のゆびを1本1本触ってみましょう。

特に小ゆびや薬ゆびは感覚が鈍い人が多いので、「あ、ここにゆびがあるんだ」と感じながら触ってあげましょう。

 

片足ずつ行うことがポイント。

片方を触り終えたら、一度その場で立ち上がってみてください。

大したことをしていないのに、触った方とそうでない方で足裏の感覚が違うと思います。

歩いてみるとそれはより感じられるかもしれません。

 

「自己内部探訪の旅」で手や足や腕や脚にせまる時は、必ず左右ずつ行いその感覚の違いに気付く時間をつくります。

ほんのちょっとしたことで変化が生じることを知れば、日々の中で良いようにも悪いようにも変化する動的なものが、自分のからだなのだということを知ることが出来ます。

足は世界と繋がる場

動的なもの、つまりは動物。

この言葉の意味は「動ける物」であって「植えられている物」である植物よりも優位に立つという意味ではありません。

むしろ全く逆で、動物は「動かないと生きていられない物」の意で、「植えられていないと生きていられない物」である植物とは、究極的にはいつか滅びるという生命体という点では同じ意味合いを持ちます。

 

私たちはこの地球上で、いや宇宙の中で、動くからこそ最大限にその能力を発揮できます。

それは自己の為ではなく、この宇宙の為の能力。

私たちひとりひとりは誰だってこの大宇宙を構成する細胞のひとつです。

かならず何かしらの役割があって今ここにいます。

自分の足で地面を感じる力がまだ残っているなら、それを活性化させましょう。

足がある者にとって、足は世界と繋がる場なのです。

 

この取り組みは何かしらの原因で足を失ったり、そもそも足がない状態で生まれてきたり、あるいはもう動くことが出来なくなってしまったりした人の為でもあります。

 

この世界の為に足を使いましょう。

その為に、足にもっと活力を。

小さな1歩でいいのです。

 

「地に足をつける」取り組みは、確実にあなたの人生に影響を与えます。

そしてそれはあなたを取り巻く世界に及びます。

さぁ、踏み出しましょう。

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