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黄金の三角地帯

2021.11.27

東南アジアには黄金の三角地帯

という場所があります。

ミャンマー、ベトナム、ラオスの

国境の山岳地帯を指します。

風光明媚な美しい風景を想像されるかもしれません。

なるほど、一部の人にとっては

すばらしい場所でしょう。

ここは世界最大の麻薬の密造地帯です。

 

 

1969年には、熟練した科学者たちの努力によって、

ハイクオリティのヘロインの量産が可能になりました。

ベトナム戦争で駐留したアメリカ軍兵士の間で、

ヘロイン依存症がバズってしまい、

瞬く間に広がりました。

 

 

道路脇の屋台で女の子が

ヘロインを売っていたほどでした。

兵士の半数近くは少なくとも1度は

ヘロインを試したと言われています。

兵士は任務で一旦基地に戻った後、

ウイスキーのショットグラスに

ヘロインの小瓶を開けて、

一気に煽ったといったエピソードも残っています。

 

素朴な疑問ですが、そんなにヤク中だらけで、

戦争に勝てるのでしょうか。

僕にはよくわかりませんが。

 

 

アメリカ本国のマスコミは、

兵士の間でのヘロインの流行について、

戦々恐々とした記事を書き始めました。

政府は、自暴自棄になった

大量のヤク中が本国に押し寄せてくるのでないか、

犯罪を増加させるのではないかと

神経を尖らせていました。

自分たちが泥沼の戦場に送ったくせに、

兵士をゾンビ扱いとは。

 

 

しかし、この心配は現実にはなりませんでした。

アメリカ政府は400名以上の帰還兵を調査しました。

彼らは自分から依存症に陥っていると、

認めた人達でした。

しかし、アメリカに戻っても

依存症がつづいた帰還兵は、

わずか12%未満でした。

 

これは、社会環境が習慣に大きな影響を

与える事を示す強力な証拠です。

アメリカ本国では、敵に襲われる恐怖感もなく、

他の常習者と交わる機会もなくなり、

ヘロイン自体も高価で

なかなか手に入らなかったからです。

 

依存症の中でも最悪とも言える、

麻薬依存症から80%ものの人が脱することができる。

ある意味なかなか希望のある事実だなと思いました。

 

よく依存症は、「一回やったら終わり」

と言われますが、(麻薬に関しては法律違反です)

習慣としては一回やっても終わりではありません。

 

 

【顧問医師】

 

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