医原病(後編)
column
2021.11.23
- コラム
人間の寿命は伸びています。
以前のコラムでも取り上げた話ではありますが、
それは何故でしょうか?
このことを詳しく紐解くと、
現代が長寿社会になったのは、
若年層の死亡が減っていることが大きいです。
つまりある程度年齢を重ねると、
昔の人と今の人では寿命が
あまり変わらないのではないか
とも考えられています。
例えば、極端なケースですと、
ここ50年間で、60歳の人のその後の平均寿命は、
わずか4ヶ月伸びただけという分析もあります。
全体の平均寿命はかなり延長しましたが。
よくよく考えたら、
昔の人は怪我で命を落とすことが
多かったと考えられます。
恋人の取り合いで決闘をしていた時代と、
浮気をされたことにも気づかずLINEで
一方的に別れを告げられる時代では、
命の重みが違いました。
治療や検査といった病院で行われる医療が、
人々の寿命を伸ばした役割は
不明であると言われています。
(もちろん、部分的には存在すると思いますが、
意外とちいさいかもしれません)
一方、社会制度(例 通り魔を死刑にする法律)や
医療以外の技術革新(車のバンパー)や
生活環境の改善(ココア色の井戸水から蛇口へ)
の影響も大きいのではとも考えられます。
となると、改めて目を向けるべきは、
病院や医療以外のところであって、
自分が成長しながら、生活環境を変えて、
試して工夫して、結果的に自分自身の身体を
美しく保っていくことではないでしょうか。
僕の仕事とは矛盾しますが、
あくまで病院や医療は最終手段と思います。
【顧問医師】