ランナーズハイについて
column
- コラム
「運動」と一口に言っても、
その手法は様々です。
大阪堀江のパーソナルジムW-GYMでは、
筋トレやストレッチ以外にも、
目的に応じて色々なトレーニングを
体験して頂いております。
その理由の1つとも言えるお話が、
今回の顧問医師コラムです。
以前の記事で、運動によって快感を
感じる現象についてお話しました。
こういった人間の生物としての性質が
どうやって備わったかについて進化の観点から
そのメカニズムを考察している研究があります。
ヒトは霊長類の中で唯一項靱帯と呼ばれる
頭蓋骨から脊椎(背骨)をつなぐ線維があります。
また猿人からヒトへの進化の過程で大腿骨が長く、
肩幅が広く、前腕が短くなってきており、
効率的により走れるようになっています。
その背景には地球の気候変化により、
森林が減少し、草原が拡大したことが
起因していると考えられています。
要するに草原を走り回って食物を
探す必要が出てきたのですね。
そういった環境の変化と、進化の過程の選択で
走りやすい骨格になりました。
体力を温存する方向で進化しなかったこと、
そしてその持久力の高さは説明できません。
研究により、走ることそのものより、
中強度の運動により、
脳内に内因性カンナビノイド
と呼ばれる物質群が分泌され、
これにより、苦痛を緩和させ、
気分を向上させる作用があり、
感覚が鋭敏になったりすることがわかっています。
これは、大麻の作用と類似しています。
持久力を発揮すると、報酬が得られる
しくみになっているということがわかっており、
これが進化によって選択された可能性があります。
実はこの現象は、全速力で走った場合や、
ウォーキングをした場合は
内因性カンナビノイドの上昇は
見られなかったということです。
めやすとしては自分にとって
ややきつい運動を20分以上続けることです。
前述の通り、走る以外でも
サイクリングなどでもかまいません。
実は人間以外の他の動物にも
この現象は見られるそうです。
運動で快感を得られるのは
生き物の機能としても意味がある
というという点が、面白いですね。
草原を走って食べ物を探し回る
必要のない現代では、
これを利用してしまえばいいんですね!