【顧問医師コラム】生活習慣病のその後
column
- コラム
大阪堀江W-GYMは顧問医師に在籍して頂き、
現場のトレーナースタッフも色々と教えて頂いております。
そんな顧問医師から週に2回程度コラムを寄稿して頂き、
皆様にシェアをしております。
今回も医療現場から見た健康の重要性について、
分かりやすく解説をして頂いております。
昨今の新型コロナウイルス関連に関わった不安定な社会情勢の中、
最も恐ろしいのは心が不安定になることかもしれません。
騒動の終息後も落ち着いて暮らすために、以下の寄稿を
お読み頂ければと思います。
生活習慣病とは、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病などです。
長らく外来診療をしていると、高血圧、脂質異常症などは、
ある年齢でこの体型だと、パッと見ただけで持っているか持っていないか
何となくわかります。なんと40代でもいるんですよ!
例えば、高血圧、ときに、救急外来で、夜中に
「血圧が180もあるんです!」
と言って駆け込んできた患者さんを何人か診療しました。
その大半は気分的に落ち着くと正常範囲内に下がっていきました。
この場合の高血圧は基本的には何の問題もありません。
血圧がやや高いことを見て、それに恐怖を感じ、交感神経が上がって、
さらに血圧が高くなって、という連鎖だと思います。
当然、高血圧緊急症の症状や、神経学的異常がないことなどは確かめましたが、
いずれもありませんでした。
問題がなければ、正常範囲内に復帰するということを、
ホメオスタシスというシステムととらえます。
運動不足、加齢や動脈硬化の進行により、血管が硬くなり、
ホメオスタシスが維持できなくなり、血圧が高い状態が続きます。
これが続くと、心臓、脳、腎臓の血管などにダメージを与え、
詰まったり、出血が起こったりします。
それ以外にもさまざまな合併症があります。時に致死性です。
以前、高齢者とくに90歳以上の超高齢者の診療を経験しましたが、
多くの人は、5種類以上の薬を飲んでいます。
多くの薬を飲むと、転倒のリスクが上がったり、
(転倒すると、寝たきりになったり、治療のために入院し、
せん妄や認知症の進行といった問題が起きます。)
ポリファーマシーといって問題になっています。
例えば高血圧の薬→副作用の便秘→下剤→下剤による副作用の嘔気→
制吐剤といったように、五月雨式に薬の処方が増えていくのですね。
一方で、自身で何十年にもわたって運動されていたり、
健康管理されている人は、これらを一切飲んでいない人もいます。
高齢でも、高血圧すらない人もいます。
経験的な印象ですが、そのような方は年齢より若く
会話もはきはきしている方も多いように思えます。
今日は人生の終盤にそれまでの習慣がどう結びつくのか、
医療スタッフは毎日みています。
生活習慣病はならないほうが絶対いいです!
適度な運動や適切な食事、体づくりは、多くの不幸を未然に防ぎえます。
ぜひ習慣化に取り組んでみましょう。