トレーニングの効果を引き出すための原則を紹介するシリーズ。
これまで【総論】と【過負荷】についてそれぞれ解説してきました。
本日ご紹介するのは「個別性の原則」です。
私たちは1人1人違った人間です。
身長、体重、年齢、性別、骨格筋量、体脂肪率、運動経験……
何ひとつとして他の人と同じものはありません。
ですので、トレーニングプログラムも1人1人違うものであって当然、
というのが「個別性の原則」の基本的な考え方です。
セッション中によく、「みんなどれぐらいの重量でやっているのですか?」
というご質問を頂くことがあります。
確かに年齢や性別に応じた挙上重量の平均値は存在しますが、
平均値というのはあくまでも平均値であって「個別性の原則」に則って考えると
あまり意味のない数値でもあるのです。
もちろん平均値以上の数値を求めるというモチベーションもありますが、
平均値以下であっても、日常的に何か不具合がある場合を除けば実は大きな問題
ではないのです。
同様に「あの人はこれだけ挙げているのに私はダメだ……」という、自己を否定
するかのような状況に陥る危険性がありますので、あまり平均値や周囲の数値は
お気になさらない方が、精神的な安定を保てると考えています。
個別性の原則に則れば、個々の状況に合わせたプログラミングが可能です。
得意な種目は何かにつけて強みになりますからより得意と自身が持てるように、
精度を高めていくことが大切です。
苦手な種目は貴方の課題です。
課題克服の為にはステップを踏んでいく必要がありますから、
1歩ずつ進みましょう。
計算ドリルを1年生から6年生にかけてじっくり解いていくように、
本当に少しずつでよいのです。
この進み方がもしゆっくりであったとしてもそれは「個性」。
皆違って皆いい、という言葉がありますがまさにその通りです。
周囲と比べて数値的に劣っている項目があったとしてもそれは「個性」です。
否定する必要なんてないのです。
確かに平均値は分かりやすい指標のひとつです。
しかしそれは個性を測る物差しであると捉えるとよいのではないでしょうか?
お仕事内容などもそうだと思います。
公務員の方がいれば、私の様なフリーランスの様な人間もいて、
昼に働く人がいれば、夜に働く人もいます。
どれが善いとか悪いとか、そんな短絡的な話ではありませんよね。
どれも善いことも悪いこともあってバランスを取っているのです。
「個性」これはこの時代を生き抜いていく中で非常に大切なものです。
平均化された人生よりも、個性的な人生の方が(迷惑は掛けちゃダメですが)、
きっと善いのではないでしょうか?