心臓発作とは、不整脈
(脈のリズムが変わったり、異常だったりする)
が生じて胸が苦しくなることを
一般的に指しますが、
体験した人は死の恐怖を感じるそうです。
致死性不整脈の場合は、
ほんとに死ぬ一歩手前です。
AEDを使う状態のときですね。
今回は、心臓発作を
初めて体験した人に関する研究をご紹介します。
アンケートに回答した人の50%以上の人は、
人生観に前向きな変化があったと答えました。
死の恐怖を感じるはずなのに、
そこからポジティブな変化を
感じる人が多いのですね。
以前コラムでお話しした、
心的外傷後成長PT(S)Gです。
つまり、トラウマのような出来事の後で、
ポジティブな教訓を引き出し、
生き方が変わっていく現象のことです。
さらに、この研究では、
発作から7週間後で、
この経験にプラスの側面を見出している人は、
8年後の再発または死亡の割合が低くなり、
そうでない人より健康状態が良かったとのことです。
これは本人の年齢や
症状の深刻さなどとは無関係でした。
僕はこういった研究とても好きですね。
死の恐怖を感じる瞬間というのは、
自分の今までの思い込みがぶっ壊れ、
世界を再構成する必要に迫られます。
生きている限りそういう経験は
どうしても避けられません。
成長しようとすること自体で、
本当に自分の身体が変化してくるというのは
なんとも希望のある
素晴らしい研究だなと思いました。
もちろんその過程で成長したとしても、
衝撃や悲しみといった感情はなくなりませんが、
良い面を見出すように自分の内面を変化することに、
目指すべき方向性が示されているように思います。
【顧問医師】