【顧問医師コラム】エビデンスとは?
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- コラム
大阪堀江W-GYMの顧問医師がお届けするコラムです。
今回は昨今関心が高まる医療や健康の情報によく出てくる
「エビデンス」という言葉について分かりやすく解説をします。
私の家は地下鉄の駅の目の前にあって、
職場には一つの駅で乗り換え、
モノレールに乗って仕事場の目の前の駅でおりていました。
所要時間は平均23分。一方自転車で通勤すると平均17分。
電車のほうが早いはずなのに。
子供にある一定の確率で生じる神経芽腫という腫瘍があります。
おなかの中がいっぱいになってしまうほどの
大きさになることもあります。
ある医師が、尿を検査にかけるだけで早期に診断できる
画期的な方法を開発して、早期に見つかった腫瘍を手術しました。
ところが、検査が開発された後のほうが、死亡率が増えました。
予想と反して結果が逆になること、
なぜこういうことが起こるのでしょうか。
なぜ物を投げた時の放物線の様に、
着地地点が正確に予測できないのでしょう。
前者は、電車で移動する時間は自転車より短いですが、
電車を待っている時間、乗り換えの混雑がかかっています。
後者は、人によってはそもそも自然治癒する例があったり、
手術での死亡例が多かったことに起因しています。
人間の行う行動は、放物線と違って、とてもさまざまな、
そして無数の影響から決まってきます。
たとえば、医学の世界ですと、「特効薬だ!」と思って作った薬が、
まったく効かなかったなんていうことは日常茶飯事で起きています。
薬を作るということは、きわめて高度な科学技術が必要で、
それなのにこういったことが起こります。
無数の影響はそれぞれの度合い、影響するものの数が多すぎて、
結果が計算できません。
ではどうするか。
最初の条件だけそろえて、誤差を減らすためにたくさんの例で行い、
その間の影響はすっとばし(あとから考察はします)、
結果だけの差を見ます。
つまり、試して結果がどうなるか評価するわけですね。
例えば、薬を飲んだ人達と、
飲まなかった人達の結果の差を比べたりします。
これで差が表れたものは、「この薬は有効である」と
立証できたことになります。
注意があって、あまりに少ない人数では
立証できたことになりません、
偶然の度合いが強くなるからですね。
このような過程で立証された結果を、
「エビデンス」と呼んでいます。
医学はこれの無数の積み重ねでなりたっています。
これを応用すると、同じようにさまざまな影響で結果が変わってくる、
ダイエットの方法や、運動の効率的な方法、食事などにも応用できるわけです。
そして、食事や運動のエビデンスも当然あります。
(当店の顧問管理栄養士曰く、
栄養分野は少ない印象があるとのことです)
我々はその結果を日常生活にどうとりいれるのかという
プロセスが大事になってきます。
こちらのコラムではエビデンスのある内容に沿って、
しかも私が実践しているものばかりをご紹介します。