脳細胞は減る一方だし頭の構造は不変のウソ
column
2020.12.12
- コラム
私達の脳みそは変わらないし、
頭が悪い人は悪いまま、
良い人は努力しなくても優れている
と思っていませんか?
実はこれは極端な見方で、科学は否定しています。
理学療法士の理論の基礎になっていますが、
サルに毎日数時間、指で回転させる円盤に
触れさせる課題を行わせたところ、
円盤に触れていた指を司る
脳の領域が増えていることがわかりました。
つまり、身体経験によって神経が変わるということです。
(それを専門用語で可塑性(かそせい)といいます)
もちろんもともとの能力の個人による差
というものは存在しますし、
変わりうる程度に限界はあります。
でも、身体活動によって変えられるし、
不変ではないということです。
このことは、その現象そのもの以上に、
自分の能力はかわらない、
才能がある人はあるし、
ない人はないという
マインドセットにブレーキをかけ、
自分の人生でどういう活動を選択するかによって
(全部ではないですが)
生まれ持った機能の一部は
変えられるかもしれないという、
成長マインドセットに転換できるきっかけ
という点で有用かなと思っています。
しかも、考え方を変えるには、
まず行動からという、
心理学の事実とも合致しています。
なかなかおもしろいですよね。
多くが陥りがちですが、
頭の考え方を変えてから何かを始めるんではなくて、
とりあえず動かしてみて、
勝手に考え方が変わっていくという
事実の一つの裏付けでもあります。
しかも、成人のすなわち加齢後においても
この可塑性は残存していることがわかっていますし、
年齢を理由にしなくてもいい
ということも合致しています。
どういう活動をすると
どう変化するのかは
今後のコラムでも紹介していきます!