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「ダイエットはメンタルって聞いたんですよね」~メディアから発せられるダイエット情報の闇

column

2024.07.13
  • コラム
  • 前田岳人

「ダイエットはメンタルって聞いたんですよね」

「ダイエットはメンタルって聞いたんですよね」

 

これは知人の女性の一言。

30代前半で2人のお子様がいらっしゃるお母さんです。

2人目のお子様を授かってから、10㎏ほど体重が増えてしまったとのこと。

 

そんな彼女とはもう数年は会っていなかったのですが、不思議なもので電車でばったり再会。

「うん、確かに体重が増えたね」と見た目にも分かる感じ。

もちろん私からは何も言っていませんよ?

そういう心無い一言が人を傷つけます。

 

今回はもともとの知人であるということと、私がこういう仕事をしていることが知られていたわけです。

自然な話の流れでこちらの女性から「どうやったら体重が落ちるか」という話が切り出されたという顛末。

 

そこでこの一言です。

「ダイエットはメンタルって聞いたんですよね」

メディアよ、気をつけたまえ。そしてメディアに気をつけたまえ。

いやいや、ちょっと待て。

それは誰が言っていたのか?

そこが問題です。

 

例えばその辺の呑み屋にいるおっさんが酔っ払った勢いで言っていたならどうってことないでしょう。

しかし話を聞いてみると、これはメディアにもよく顔を出す某有名インストラクターさんがテレビか何かで言った言葉らしいのです。

 

前後の文脈は不明ですから、頭ごなしに否定することはできません。

ただ、こちらの女性の様な一般の方にはあまりよい意味合いでは届きそうにない言い回しです。

実際「私はメンタルが弱いから無理」という想いが彼女には芽生えていました。

受け取る側の読解力の問題とも言えないことはないのですが、影響力のある人ほど言葉の遣い方にはご留意願いたいものです。

 

メディアよ、気をつけたまえ。そしてメディアに気をつけたまえ。

果たして本当にダイエットはメンタルなのか?

「ダイエットはメンタル」ということについてはツッコミどころが色々ありますが、まず「ダイエット」とはきっと「減量」という意味合いで使われているのでしょう。

 

では「メンタル」は?

きっと「精神力」みたいな意味合いで言っているのでしょう。

ということは「減量は精神力だ」ということになります。

ちょっと雑な言い回しになってしまいますね。

 

確かに減量をすると決める心は必要です。

そしてそれをやり遂げる心が必要です。

しかし、どれぐらいの期間でどれぐらいの減量をするかで、その心の持ちようは変わります。

メディアはその辺りの前提条件を無視して、「ダイエットはメンタルだ」というところを誇張してくるのです。

 

情報の受け手である皆様、一旦落ち着きましょう。

まず減量に関してまずもって大切なことは、普段自分が、いつ、何を、どれぐらい、どの様にして食べているのかを明らかにすることです。

 

つまり現状把握。

目的地へ行く為には、現在地が分かっていないといけません。

一度書き出してみるだけでもいいでしょう。

 

そして精神力ということですが、人間というのは楽をしようとする生き物ですからストイックであることの方が珍しいわけです。

例えば芸能関係の仕事をされている方であれば、撮影という本番の期日が決まっていますから、容姿が収入に直結するのであればその日に向けてストイックになることはごく自然なことです。

スポーツ選手にしても、大切な試合の期日は決まっていますから、その日に向けて調整するというのは最早仕事として出来て当然です。

 

しかし一般の方であれば、そういった守らねばならない期日というのは厳密に言うと存在しません。

ですからある意味ではいくらでも楽をしても構わないのです。

芸能人やスポーツ選手と同じ考え方をする必要はありません。

したがって「ダイエットはメンタル」なんて言うのは、もはや害のあるコメントです。

なので、気にしないでおきましょう。

 

あえて言うなら「ダイエットはメンタルではない」です。

現実的な減量の進め方

さて、10㎏体重が増えたという話でしたね。

それをどの様に減量していくかというのがご相談内容。

減量の進め方は人によります。

まずはその点を留意した上で読み進めて下さい。

以下はあくまでもひとつの参考として、私がその女性にしたアドバイスの一部です。

 

まずいきなり10㎏落とそうと思わないこと

1ヶ月単位で800gぐらいずつ落ちればそれでOK。

それで1か月後に500gしか落ちなかったとしても誤差はたったの300gですから、ダメージはほとんどありませんし、逆に1000g(1㎏)減量出来たら200g分ラッキーだと思えばいいのです。

 

キツイ運動をする必要は全くない

キツイ運動は続きません。

これもスポーツ選手なら話は別ですが、一般人はそういうのが好きではない限りまず続きません。

テキトーに身体を動かせばOK。

座りっぱなしの生活なら、たまには立てばいい。

いつもよりもちょっと歩くだけでもいい。

何でもいいです。

いきなりプランクとかスクワットとか腕立て伏せとかランニングとかをやることはありません。

 

お米を食べる

こちらの女性の場合、「間食してしまう」とのことでした。

間食が多いとか、変な時間にお腹が空くとか、そういう人は単純にお米を食べる量が少ないかも知れませんが、今回はまさにその状態が当てはまりました。

そんな時はサラダチキンとかプロテインとかじゃなくて、まずお米を食べてください。

もしかしたら変な空腹がなくなって、間食しなくなるかもしれません。

 

●「ダイエットはメンタル」なんて思わないこと

出来ることをやればいいです。

出来ることというのは人それぞれ違います。

ストイックな人が偉いわけではありません。

人生いろいろ。

自分に合ったやり方を見つけましょう。

 

●気づきを得たなら祝福を

なにかひとつでも、何か少しでも、変えられたなら、それはおめでとうございます、なのです。

減量する必要に気づいたなら祝福を。

減量する必要がないということに気づいたとしても祝福を。

 

もし何かご相談があれば是非お聞かせください。

当店は単発でのセッション受講も承っております。

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