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変形性膝関節症~高齢になると抱える悩み

column

2021.05.29
  • コラム

人間の関節の中で年齢が進むにつれて、

機能が最も壊れやすくなる関節は何でしょうか?

それは膝です。

その中で最も多くの人が患っているのが、

関節の軟骨が破壊されていく変形性膝関節症です。

一部ある種の関節の病気でもなります。

 

変形性膝関節症になる人は

60歳代では30%、70歳代で40%、

80歳代では60%にも上ります。

若い人はピンとこないかもしれませんが、

割合としては結構高いですよね。

 

僕も日常で診察する機会はありますが、

ひどいと50歳代でも仕事に

行けなくなるくらい強い痛みが生じます。

患者さんの様子を見ていると、

結構メンタルにきているようです。

 

膝が結構悲惨なことになります

変形性室関節症の方の

レントゲンやCT,MRIで膝を見ると、

骨や関節の軟骨が原型をとどめないくらい破壊され、

半月板、靭帯といった組織も破壊されつくされて、

見えなくなっていることが分かります。

多くは、内側の関節の間が短くなって、

骨同士に直接強い力が加わって、

骨が変形していきます。

 

また、変形した骨が鋭くとがって痛みが出ます。

立ち上がったり、歩き出したりといった

軽い運動でも痛みが出てきてしまいます。

日常動作のたびに痛くなっていたら

メンタルにきて当然ですね。

 

治療も一長一短

放っておいても破壊された膝が

再生することはありません。

最初、多くは痛み止め薬、

注射をし続けることになります。

 

それでも効かない場合は、

金属の人工関節に置き換える手術になります。

悩ましいですが、薬、注射には副作用がありますし、

人工関節になると正座が

難しくなってしまいます。

僕の感想ですが、治療法が少ない印象です。

 

予防はできるのか?

実際の変形性質関節症の患者さんを診ていると、

特殊な病気のない方であれば、

かなりの肥満であることが多いです。

体重がかかりすぎて膝に負担が何十年もかかって、

破壊されていく、そんな印象を持ちます。

当然、肥満にならないことで予防できます。

 

しかし、手術の前でも肥満のまま

という方も多くいます。

おそらく減量がうまくいかなかったのでしょう。

減量のほうが手術より難しいといわんばかりです。

 

たとえ、病気になってしまっても、

そこから自分の行動を変え、人生は変えられます。

体を適正な状態に保つ技術は、

結果を出すのは時間がかかりますが、

メリットも計り知れません。

 

【顧問医師】

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