●●理論にご注意。
column
- コラム
●●理論に意味はあるのか?
ダイエット法からがんの治療に至るまで、
身体にまつわる多くの
「●●理論」「〇〇式」「★★法」が存在します。
効果がありそうなものもありますが、
本当はどうなのでしょうか。
玉石混合に見えてきます。
今回はそんな「●●理論」「〇〇式」「★★法」を
見抜く観点についてお話します。
帰納と演繹
少しだけ専門的な用語の解説を含めて解説します。
まず、理論だけだと全く意味はありません。
理論というのは、ざっくりと科学では
帰納法(きのうほう)と言われます。
これはいくつかの例から共通性を拾い出して、
考察して、考えたものです。
式や法もそれと同様使われている例が
多いと思われます。
ですが、理論が実際にあまねく人々に
当てはまるのかどうかの検証を
しなければなりません。
その検証が認められたら、
晴れて多くの人に有効であるということになります。
これを演繹(えんえき)と言います。
帰納と演繹という2つの考え方を少し知るだけで、
「●●理論」などの見え方が変わってきます。
理論が実証されるには時間が掛かる
演繹、つまり検証には手間がかかります。
公正に検証を行い、出た結果が
本当に意味のあるものかどうか
チェックされなければなりません。
人間の身体はわからないことが多く、
良かれと思って作った理論が効果がなかったり、
害があったりということは
歴史上多く存在しています。
運動プログラムの例
例えば、HIITというトレーニングの中でも有名な
タバタ式トレーニング。
これは立命館大学の田畑教授が考案したもので、
「20秒全力で運動し10秒休憩する」を
8回繰り返すというトレーニング法です。
これは合計4分間の運動で60分間エアロビクスを
したと同じくらいの脂肪燃焼効果があると
検証されています。
全力20秒の「全力」がポイントになりますが、
検証済みの理論ということになりますね。
エンドポイントに意味はあるか?
薬や手術などもこういった段階を経て
私たちが利用できるようになっています。
また、検証されていても、
その効果の指標(エンドポイントといいます)に
問題がある場合があります。
断食しまくるダイエットで、
1週間後の体重が平均10kg減ったとしても、
果たして意味があるのでしょうか。
長期的には筋肉が減ったことにより
リバウンド率が上がるかもしれませんし、
無理な断食で病気になる率が
上がってしまうかもしれません。
その効果以外のものについても想像してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
例えばW-GYMメソッドなんていうプログラムを
取り急ぎ作ってしまうのは簡単です。
「●●理論」「〇〇式」「★★法」というのは
ひとまずそんなものかもしれないと思ってください。
その上でそう言ったものに少し興味が出てきて
実践に移したいと思った時は、
・本当に検証されているのか
・エンドポイントに意味があるのか
この2点をしっかりチェックしてくださいね。
【顧問医師】