音楽と記憶(前編)
column
- コラム
アルツハイマー型認知症という病気を
聞いたことがある人は多いかも知れません。
記憶がどんどん失われていく難病です。
盛んに研究されていますが、
今のところ根本的な解決法が
見出せていないのが現状です。
今回からは前後編に分けて、
そんな記憶と音楽に関するお話をご紹介します。
アルツハイマー型認知症とは?
アルツハイマー型認知症になると、
新しいこと、よく知っている家族の顔、
自分が誰であるか、今がいつでどこにいるのか、
予定すら忘れてしまい、
色々生活が成り立たなくなってしまいます。
実際目の前にするとわかりますが、
毎日全く同じ話をしたり、
ついさっきのことを忘れていたりと、
自分が自分でなくなっていく感じが
あるんだと思いますが、
不安を感じる方も多いそうです。
音楽と記憶
先述したようにアルツハイマー型認知症の
根本的な解決法は見出せていないといません。
しかし、病気がかなり進行して
重度の記憶障害がある状態でも、
音楽は思い出せる場合が多いことがわかっています。
例えば自分がよく知っているメロディーに
新しいテキストをのせて歌われるのを聞かせると、
ただ話して聞かせた場合より、
10分後、4週間後の記憶力は
多く思い出せることができたといいます。
結構これは画期的な事実だと思います。
新しいことが覚えられないと、日常のほとんどで
まともな判断ができなくなってしまいます。
これが一番困るところなのですが、
音楽を使って改善できるなら良いですね。
しかし手間はかかりそうですが……。
私たちも、昔行った場所は
正確に思い出せないことはあるけれど、
どこかで何回か聞いた曲、特に好きだった曲を、
忘れてしまった、ということは
あんまりないんじゃないでしょうか。
また聴き続けて最初は思い出せなかったけれど、
後から昔聞いた曲だとわかった、
という経験もあんまりないんじゃないでしょうか。
メロディーで大体知っている曲かどうか
パッとわかると思います。
特に日常に使える!というわけではないと思いますが、
なんとなく経験はあるのではないでしょうか。
後編に続きます。
【顧問医師】