練習をすれば上手になる!ただし、練習の意図を理解している場合に限る。
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- コラム
- 前田岳人
練習をすることで成長する
どんなことでも練習をしないことには上達は見込めません。
どんなに器用な人でも、今以上の水準で何かを出来るようになる為には練習は必須です。
言い換えれば、練習をすれば上手になるということです。
何事も練習をして上達するということは人生に彩を与えます。
何歳になっても練習をすることで成長できる。
なんと素晴らしいことなのでしょうか!
練習とはそもそもどういう意味か
「練習」とは「技能や学問などが上達するように繰り返して学習すること」。
また「練」という漢字は「固いものを煮て柔らかくする」という意味があり、「習」は鳥が羽ばたく姿から「繰り返し行為」を意味します。
よほど器用な人でない限り、初めてやることというのはぎこちなく固い感じになるもの。
スポーツにしても楽器にしても演劇にしても他の何かにしてもそれは同じことです。
それを繰り返していくうちにその固さが取れて上手になるということが、「練習」をする意義ということになるでしょう。
「漢字ドリル」や「計算ドリル」の「ドリル」も「反復練習」という意味の言葉。
スポーツの世界でも「ドリル」というのが存在しますが、これも何度も何度も反復練習することで、技術水準を向上させようとする営みなのです。
練習の意図を理解しよう
では練習というのはとりあえず繰り返しやっておけばいいのでしょうか?
それは違います。
ワケも分からずにただ繰り返しても高が知れています。
大切なことはその練習の意図を理解すること。
「この練習にはこんな意味がある」
「これは○○の練習だ」
ということを理解しておく必要があります。
トレーニングの原則の中に「意識性の原則」というものがありますが、これはまさにトレーニングの意図や目的を理解した上で取り組むべしという意味です。
意識性の原則は決して「鍛えている部位を意識しろ」という意味合いに留まるものではありません。
パーソナルトレーニングではパーソナルトレーナーがそのトレーニングの意図や目的を伝えるからこそ価値があります。
ただ数を数えているだけの【自称パーソナルトレーナー】は、職務放棄していると言ってもいいでしょう。
例えばスクワットひとつにしても「こういう目的でやります」ということを毎回確認しながらやることが大切で、「頑張って10回3セットやりましょう!」というだけではまともな練習とは呼べないのです。
内観的反復という考え方
とりあえず繰り返しやるという反復では、その行為の意図や目的が度外視されてしまい、何も意識しない繰り返しになってしまいます。
そんな風に特に何も意識せずに繰り返すことを「機械的反復」と呼びます。
目的によっては機械的反復が大切なこともあるのでしょうが、何かを出来るようになろうとする練習においては推奨されるものではありません。
練習というのは「内観的反復」である必要があります。
内観的反復とは、常により良い段階を目指す繰り返し方。
「出来るようになりたい」という気持ちで取り組み、上手くいっていない原因や欠点を素直に認めてその都度修正しようと考えながら繰り返すことです。
その内観的反復はとても個人的なものなのですが、人は上手くいっていない原因や欠点を、なかなか自分ひとりでは的確に判断できないものです。
特に初めてのことに挑戦する時は、その道の指導のプロに習うことをお勧めします。
スポーツや運動のことであればパーソナルトレーナーがそれにあたります。
まともな指導者による内観的反復のサポートがあれば、上達の速度は格段に高まるはずです。
ただし、数を数えるだけの【自称パーソナルトレーナー】のもとではそれは難しいですので、パーソナルトレーナーを選ぶ際のひとつのポイントとして抑えておくとよいかも知れません。
出来るようになるのは他でもないあなた自身!
「出来る」というのは、無から有が生じることを意味しますが、その無も有もそれを取り組む人の中での現象です。
つまり、出来るようになるのは他でもないあなた自身ということです。
パーソナルトレーナーはそのサポートをします。
決してパーソナルトレーナーが魔法をかけるから出来るわけではありません。
一番大切なのは「出来るようになりたい」というあなたの心意気です。
また練習して出来るようになったら、それもあなた自身の努力の賜物。
パーソナルトレーナーのお陰で……と思って頂けるのは嬉しいことですが、出来るようになった自分自身に「よくやった」「ありがとう」と言ってあげてください。
「出来るようになりたい」と思うからこそ練習をする。
その思いを大切に持ち続けて下さい。
その思いがあれば、後はやり方を習うだけです。
私たちにお手伝い出来ることがあれば、喜んでお受けします。