「体幹が弱い」について③
column
- コラム
「体幹が弱い」について考えるシリーズ、
お待ちかねの第3弾でございます。
この手のコラムは引き続き書いていこうと思いますが、
ひとまずこのタイトルでお届けするのは
今回の記事で区切りとします。
前回までのコラムをまだお読みでない方は、
以下よりご覧ください!
さて、Aさんの例をもとに話を進めています。
Aさんは当店にお越しになられて
1回でトレーニングの効果を感じられました。
「めっちゃ身体が楽に動く!」
「踏ん張りが効くようになった!」
「安定する!」
反応としてはこんな感じでしょうか。
まず、例の指導者から「体幹が弱い」と言われ、
その指導者から「体幹トレーニング」と呼ばれるものを
必死でされていたわけですが、
それによって崩れてしまっていた身体のバランスを
整えるようにセッションを進めました。
これは俗に言うストレッチに当たることなのですが、
当店で実施しているストレッチは無理に伸ばしたり
引っ張ったり、痛いことは一切しません。
だから「ストレッチ」とは呼んでいません。
「身体を整えるヤツ」と呼んでいます(笑)
Aさんは体幹だけでなく全身に不要な力みが見られ、
その力みが姿勢をも崩しているといった感じ。
その力みを解除するというイメージです。
思い出して頂ければよく分かることと思いますが、
トップアスリートの動きというのは実に力みがなく
しなやかであるように見えます。
事実、筋の状態も弾力性に富んでおり、
力んでいるという状態からは程遠いものです。
やや抽象的な表現になりますが、
力んでいる人は力が上に逃げてしまいます。
肩が挙がって、膝が突っ張ります。
逆にトップアスリートの身体は、
肩が下がっていて、足の裏にしっかり体重がのります。
「地に足を着ける」という言葉がありますが、
まさにそういった状態。
「地に足が着く」というのは陸の上で行うスポーツや
日常生活においては非常に大切な概念です。
しかし多くの方は「浮足立っている」。
そりゃ片脚立ちで上手く立てないわけです。
そんな状態で力強いキックを放てるわけがない。
そういう見立てで身体を整えていくのですね。
この作業は一見何ともない様なことをしているようで
実は非常に繊細な作業なので、理解している指導者の
もとで実施しないとなかなか上手くいかないものです。
しかし上手く出来ればAさんのように
「めっちゃ身体が楽に動く!」
「踏ん張りが効くようになった!」
「安定する!」
となることでしょう。
そりゃそうです。
浮足立っていた人が地に足着けられたわけですから。
安定するんですね。
これが「バランスが悪い=体幹が弱い」という
発想ではどうも上手くいかなくて当然。
つまりこの手のセッションにおいては
俗に言う「体幹トレーニング」は一切行いません。
あえて言ってしまえば、
そんなことをするから上手くいかないのです。
トップアスリートであればパフォーマンスアップに
効果的なトレーニングも、一般的な人ならむしろ
パフォーマンスアップを阻害する可能性があります。
そして何かと「鍛える」とか「強くする」という
発想ではなく、「整える」→「動かす」→「鍛える」
という順番があるということを頭に入れておきましょう。
スポーツをやっている人の場合は
きっと鍛えていますから以下の様に試してみましょう。
鍛えていて上手くいかなければ負荷を下げて動かす。
動かしていて上手くいかなければ整える。
整えているつもりが上手くいかないなら工夫する。
工夫して上手くいったらまた動かしてみる。
そうすれば動きの感じが変わっていることに気付く。
その動きを基本として鍛えていく。
鍛えていて上手くいかなければ…………
…………こういう循環を辿りましょう。
ちなみにAさんはスポーツで強くなることが目的なので
「鍛える」というプロセスまで辿っていきますが、
一般の方であれば「動かす」だけでも十分な運動です。
これだけでスタイルが変わっていく人は沢山います。
何でもかんでも「弱い」から「鍛える」
わけじゃないんですね。
だから「体幹が弱い」から「鍛える」んじゃない。
先ほども言いましたがストレッチだって怪しいもんです。
「硬い」から「伸ばす」んじゃない。
元の状態に戻すだけ。
結局「どうやるか」ということがポイント。
どうやらそれを教えてくれる指導者は少ない模様。
気になる方は是非当店にお問い合わせください。
また思い立った時に色々書いていきます。
最後までお読み頂きありがとうございます。
【代表トレーナー】