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信じ切るとそこで終了!―あふれかえる健康の知識 後編―

2020.12.19

健康に関する情報は、

信頼された情報源から正しいものを

得るようにしましょうとよく言われますが、

何をもって正しい情報でしょうか。

執筆:大阪堀江W-GYM顧問医師

※本コラムの前編はこちらから

 

そもそも信頼された情報源から

正しくない情報が発されることもあるはずです。

そうなったらどうしたらいいのでしょう。

 

さらに一部の情報の真偽をチェックしている最中に、

検証済みのはずの領域に

新事実が発表され覆ることもあります。

 

つまり、科学的な知識の正しさというのは、

常に更新されうるのです。

 

もちろん、細胞の遺伝子がDNAでできている

といったことは異論がありません、

しかしそれは、単に、発見したあと

さまざまな検証において

矛盾がなかったということが続いているだけです。

 

その後の検証で矛盾があれば正しさが覆ります。

覆る可能性はだれにもわかりません。

 

ですから、一度自分が信じたことが

間違ったことであっても、訂正する、

あるいは正しいと信じたいと思っても

もしかすると間違えているのではないか

という思考習慣が大事になります。

 

これをもっていないと、

少し調べれば全く間違っていることですら

容易に信じてしまい、その傾向を持つ人は

学歴によらないこともわかっています。

 

先日、僕よりも年上で経験があるほかの診療科の医師に、

患者の病気の診断に対して助言をしたところ、

その後、その先生は、

「検査のどこにその病気の診断に

つながる箇所があったのか?

知識がないから、教えてほしい。」

といってわざわざ足を運んで

ディスカッションになりました。

 

こんなに経験があって知識も豊富な方でも、

わからないことがあると自認しているわけです。

 

知識は物理的に自分が全部知ることはできないし、

その状態には達することはない。

であれば知りたいと思った時に知識を更新する。

こういった思考習慣は、知的謙遜と呼ばれており、

間違ったことに陥る危険性を減らしてくれます。

 

僕の経験では、中途半端に知識を持っている人よりも、

ものすごく勉強している人に多い印象です。

そうなると話し方でだいたいなんとなくわかります。

 

「これはこうに決まっているだろ。」

「●●は常識。」

ではなく、

「だいたいこうといわれている。」

「現状ではこういうことになっている。」

といった含みを持った言い方になります。

 

知的謙遜の思考習慣をみなさんも

ぜひ取り入れてみてください。

自分にとって必要な判断を、

みなさん自身で考えて決めるのに役立つはずです。

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