パソコンのモニターと姿勢
column
- コラム
今回のコラムは顧問医師担当。
普段からパソコンやスマホを触る現代人
必読の内容となっております。
普段は毎日のように背骨のMRI検査を見ています。
MRI検査は身体を切った平面で映し出される検査で、
頭の先から足の指まで、あらゆる部位を撮影できます。
いろいろな部位ごとで検査は行われ、
その中でも多いのが脳と脊椎(背骨)です。
特に脊椎では、腰椎(腰の背骨)の画像を多く経験します。
年齢層が高いこともあって、
腰痛によるこの検査の大半は変形性腰椎症や
加齢性椎間板ヘルニアを合併しています。
本当に多いです。
検査を受けに来るほとんどの人は前者か両者を患っています。
もちろん加齢や、developmental canal stenosisと呼ばれる
脊柱管狭窄症といった背景もありますし、
腰痛は原因が複雑で未解明な部分も多いことで知られています。
今回は、我々の日々のパソコンでの作業による姿勢の悪さも
腰痛や頚部痛を誘発/悪化させているという内容です。
脊椎は横から見ると首で前に、
胸部で後ろに、腰部でまた前に反った構造をしていて、
なだらかなウェーブを描いています。
しかし、目線より低い位置でのパソコンのモニターがあると、
このウェーブが崩れ、首から腰まで後ろに
そったような姿勢になり、頭と首だけが前方に
突き出たような姿勢になります。
こうなると、背骨の間の椎間板の後ろの部分が弱くなり、
中の髄核と呼ばれるジェル状の物質が出やすくなり、
神経を圧迫する椎間板ヘルニアの可能性が
増大する事がわかっています。
またこれに、ねじれ運動が組み合わされると、
さらに増大するとのことです。
さらに、頭が前方に突き出たような姿勢になるため、
首の背骨とそれを支える筋肉に大きな負荷がかかり、
痛みがでたり、運動範囲が減少してしまったり
することがわかっています。
パソコンが普及してからもう20年ほど経ったでしょうか、
こういった障害が今後多くなってくるかもしれませんね。
ちなみに僕はひどい猫背でしたが、
まだ少し残っているものの34歳にして
色々工夫してかなり改善しました。
肩こりも消失しました。
ぜひモニターの位置などを調整して、
負担のかかる姿勢を矯正しましょう。