ブラック企業シリーズ⑤~会社にとってのデメリット~
column
2021.03.23
- コラム
W-GYMの顧問医師が現代社会の闇にメスを入れる!
大人気の「ブラック企業シリーズ」は
今回でついに5回目に突入です。
今回はこれまでとは少し視点を変えて、
長時間労働が及ぼす会社へのデメリットを考察します。
労働者の健康を害することが
会社にとってどのような悪影響を与えるのでしょうか?
データとともに解説します。
世界中に蔓延する「働きすぎ問題」
日本も働きすぎといわれていますが、
実は韓国はさらに多いとされていて、
アメリカも長時間労働などが多い国です。
例えば、アメリカでは職場環境(のひどさ)によって、
年間12万人の死亡があると試算されており、
ヨーロッパの各国と比較した場合、
日本円にして年間6兆円以上の医療費は、
職場環境をうまく維持していれば
発生せずに済んだとの試算もあります。
酷い労働条件はコストである
職場の労働条件が引き起こす健康被害が、
コストとして跳ね返ってくるということですね。
さらに、生産性の低下は、
その医療費のコストをも
上回るのではないかといわれています。
長時間労働に関していえば、
先のコラムでもお話したように、
多くの仕事にはこれ以上いくら働いても
アウトプットは増えないという臨界点が存在します。
長時間労働させることによって
企業に利益をもたらすという証拠は
ほとんど存在しません。
リーダーが知るべき事実
社長さんだけでなく、
人に仕事を指示する立場の人は、
この事実はぜひ知っておいた方がいいと思います。
人事などを判断するときの判断に
リミッターとして働く可能性があります。
これは僕の考えですが、
働くことで健康被害が生じてくる
労働時間の閾値(いきち)※
(※これ以上だと健康被害が生じてくる時間)は、
意外と定時での労働時間に近いため、
残業前提の人事構成では、
そもそも会社にとって長期的には
損している可能性は大いにあります。
【顧問医師】