運動の依存症への効用
column
- コラム
身体に悪いと思っているのにやめられない
コンビニ食などの加工食品…
ケミカルなお酒……
危険なほど甘くて美味しいお菓子…
更には夜更かしやスマホへの依存など、
私たちの健康を脅かす生活習慣を断ち切るには、
「運動を生活に取り入れるとよいのでは?」
ということが科学的にも根拠があることを
示唆する研究結果のご紹介です。
今回は、みなさんには関係ないと思いますが、
「私達の生活を変えていく上で使えるな」
と思った海外の研究があったので紹介します。
それは、
覚醒剤、麻薬などのドラック中毒に運動が効く!
というものです。
ドラックへのアクセスのよい海外ならではの研究ですね。
正確に言うと、
これらの依存症によって引き起こされた神経損傷を
回復する効果が運動にはあるかもしれない
ということです。
こういった薬物は、摂取すると報酬系によって
脳に凄まじい量のドーパミンを始めとした
快楽物質が分泌され、異常な高揚感が生まれます。
そうすると、脳はその物質のバランスを取るために、
効果を打ち消そうとする作用が生まれます。
その異常な高揚感を抑止する方向に作用するんですね。
しかし、これらを頻繁に使用すると、
こういった反報酬系が活性化されたままになり、
欲していた高揚感が生まれなくなり、
精神が不安定になっていきます。
さらに、脳内ドーパミンの濃度が低下することに伴い、
ドーパミンそのものが効きにくくなってきます。
報酬系そのものの機能が低下します。
そうすると、うつ症状や、反社会的な行動に出たり、
喜びが感じられなくなってきます。
しかし、運動によって、これらの傷害された
報酬系の機能が改善し、まっとうな快楽を
感じる力が高まることがわかっています。
さらに、薬物への渇望も減退させることがわかっています。
ところでなぜこのような研究を紹介しているかというと、
薬物依存症は社会問題でもあり、精力的に研究されています。
一方で、私達の生活において、
健康に害するような生活習慣もありふれています。
でも、その両方はある程度共通したメカニズムで起こるので、
応用できるのではないかと考えているからです。
つまり言い換えれば、
ジャンクフードなどを食べすぎて、
慣れてしまった脳のシステムが、
運動によって変わるかもしれないのです。
自分個人にとって変わるかどうかは、
試せばわかりますので、きっかけにできます。