音楽と患者(前編)
column
2022.04.28
- コラム
「病院が好き!また行きたい!」
という人はどれくらいいるでしょうか?
基本的には行きたくないところだと思います。
検査によって知りたくない現実を知る緊張感、
治療への痛みや苦しみへの恐怖。
やはり嫌ですよね……。
私は普段病院で働いている側なのですが、
実感としてやはり緊張されている
患者さんは多いです。
医療スタッフは患者さんの
心のケアにも気を配らねばなりません。
今回はそんな患者さんの心を癒す音楽の話です。
音楽と患者
歯医者さんなどの待合室で、
オルゴールの曲が流れていることがあります。
なんとなく感覚的に落ち着かせようと
曲をかけていると思われますが、
実際、患者さんにとって有益じゃないかという
システマティックレビューがあります。
音楽を聞くことで、
医療処置時の心拍数を低下し、呼吸が落ち着きます。
また、ストレスホルモンの増加を抑えることもでき、
痛みを感じる程度が高くなったり、
痛みの耐性が高まったり、
落ち着かなさ、緊張感、震えが
減ると言うことがわかっています。
さらに、嘔吐の発生まで減るとのこと。
患者と医療者の間の緊張状態もよくなります。
また、注意を逸らして、他の思考に惹きつけることがで、
不安や心配を減らせると言われています。
やはり確認してみると、効果があるんですね。
これは実感する方もいらっしゃるかもしれません。
聞くだけでも効果はありますが、
音楽を聞くときその音楽に没頭して、
リズムを打ったり、リズムを呼吸に合わせたり、
頭の中で歌ったりするともっと効果があるとのことです。
多くのクリニックや病院で流れている音楽は、
特にノリノリで聴けるものではないですから、
ちょっと改善できるかもしれませんね。
音楽には集中できませんが、
診察室にB G Mを流すのもいいかもしれません。
【顧問医師】