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本当の美味しさとはなにか③

2020.6.30

大阪堀江のパーソナルトレーニングジム

W-GYMの顧問医師がシリーズでお届けしている

「本当の美味しさとはなにか」

今回はその第3弾です。

 

ダイエットやよりよい生活習慣の構築を

阻害するかもしれない「悪習慣」について、

考えるきっかけになれば幸いです。

 

バックナンバーは以下よりご覧ください。

・本当の美味しさとはなにか①

・本当の美味しさとはなにか②

 

それでは以下より続きをご覧ください。

 

 

ここまでの話をまとめると、

ドーパミンが作用しているときに特徴的な行動は、

主に2つあります。それは、

「好き」より「ほしい」

という衝動が上回っていることと、

反復的な衝動に突き動かされることです。

 

精神神経学者によれば、

ドーパミンの作用が生じるたびに

脳内に新しいパターンが生まれていき、

神経の結合を固定化するそうです。

 

言い換えると、

ドーパミンに誘発された

快楽を経験すればするほど、

私達は、その行為を繰り返したくなります。

しかも、脳の報酬回路は耐性ができていき、

以前の満足感を得るためにはいっそう努力して、

つよい快感を得なければと求め始めます。

 

さらにドーパミンの快感は、

それを直接体験していなくても

感じることが可能です。

食べ物の匂い、見た目だけでも

報酬回路は刺激されます。

 

日常生活から切り離された状況では

なおさら強力に作用することがわかっています。

アルコール依存症の人が、断酒をしているのに、

旅行によって再開してしまうのが

多い現象がこれにあたります。

 

これは私の考察ですが、

習慣的な枠組みの行動から

外れるからではないでしょうか。

習慣的な行動はある意味、

余計な行動をしない抑制が

かかるのかもしれません。

 

その衝動は、意思の力だけでは

対抗不能なほど強力で、

かつ、脳の報酬回路は、

無害とみなされていることと、

危険とみなされていることを

必ずしも区別しません。

こまったものですね。。

 

実はこれらのメカニズムは

まだ隠されている点が多く、

わかっていることは

ほんの一部かもしれないのです。

しかし、メカニズムが分かっていないことが

多いとはいえ、ここ数十年で人々のこうした

依存的な行動は徐々に増えてきています。

 

それは、人々を繰り返し行動させるような

強い作用をもたせた、サービスや物質が

増えているからです。

言い換えると、手っ取り早く、

強い快感を得られるサービスや

商品が多く出回ってきたということです。

それによって、私達は気分を上げたいときは

いつでも、自分にご褒美を与えるという

習慣が強まったのです。

 

お菓子をちょっと食べすぎてしまうことから、

麻薬中毒まで、中毒性が高い!から依存症までは、

ある意味区別がむずかしく、

連続性のあるものともみなせます。

 

私の考えですが、もっと現実的に、

「悪い習慣」と位置づけるのがおすすめです。

悪い習慣は行動をデザインすることで

減らすことができるし、

ある程度制御することが可能だからです。

 

つづく

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