依存症とおすすめの場所
column
- コラム
先日のコラムで、ベトナム戦争の兵士たちの間で
ヘロインがバズってしまい、
ヤク中が増えてしまったが、
戦争が終わって本国に帰った途端、
大半に依存症がなくなるという現象を紹介しました。
これに補足する内容です。
環境が引き起こす依存症
依存症は環境によって引き起こされますが、
現代では、大企業や利益団体の思惑によって、
どんどんみなさんの脳に欲しいと思わせる
キャンペーンが大々的に持続的に行われています。
環境を自分でコントロールすると、
徐々に脳の構造が元に変わってきて、
欲しい!と思わなくなります。
以前僕はお菓子を1日に4食ほど食べていましたが
(今から見れば、脳科学的にも頭がどうかしていました)
それからほぼ一切食べることがなくなって、
数年経ちました。
今ではほとんど買うことのない、
先日コンビニのお菓子を試しに食べてみたところ、
確かに、舌触り、味は快感がありましたが、
さらに食べたいと思わない自分がいました。
欲求が引き起こされる感覚がなくなっていました。
おすすめの場所
欲しいという習慣を遠ざけ、
こういった脳の状態がリセットされたときに、
みなさんにおすすめの場所があります。
龍安寺です。
龍安寺には500年以上前に
作られた枯山水があります。
枯山水とは、砂と石だけと少しの苔や
樹木だけで構成された日本の伝統的な庭園です。
修学旅行などで、写真だけ撮って終わりだと
何のことかわかりませんが、
ゆっくり歩いてもらうと、
いろいろ発見があると思います。
受ける印象は個人の感想に任せるとして、
このような庭園を人の手で
数百年間維持されているのは、
残すべき価値と認識しているからと言えます。
枯山水をみた後に、建物の裏手に行くと、
「吾れ唯足るを知る」
と刻まれた石があります。
石庭を見て受けた感覚が、足るを知る、
すなわち満足感を感じ続けていると言語化され、
体験できる建物になっているのですね。
この「足るを知る」という感覚は、
欲しい→手に入れる→また欲しくなる
の循環を薄めてくれます。
かなりわかりやすくて、おすすめです。
昔の人も同じことを考えていたし、
その答えも見出していたということに気付かされます。
みなさんも今度機会がありましたら、
少し違う視点で眺めてみてはいかがでしょうか。
【顧問医師】